手をのべて、2012/03/02

あなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が

歌人、河野裕子氏の短歌。最初にこの歌を知った時、アルエドでこういう漫画が描きたいなあと思ったのを覚えている。この歌のすごいところは、この歌を詠んだ翌日この歌を最期の言葉に本当に息を引き取ってしまわれたこと。今日(もう昨日ですが)の夕刊でも紹介されていたので朝日の方は読んでみて。「隠せば言葉が濁るから」っていう考え方も好き。私は同業者より芸術家の言葉に共感する事の方が多い。いいよね、人生こうありたい。

それはそうと完全版は紅蓮さんだったのねーもうすぐねーきっと次は次こそセリム様だと信 じ て  る   本屋さんで息が止まらないよう気をつけなければ。ヒッヒッフー!
最期の画集を出してからも鋼でけっこうイラスト描かれているんだから、薄くて良いからもう一度画集出してくれないかなあ。完全版のオマケ用に描かれていたモノクロイラストも収録してくれないかなあ。結局手に入れ損ねてしまったわ。ああん

あ、と!マスター・キートン続編執筆決定とか?!どうしてこのタイミングで完全版が出たのか不思議に思っていたんだけどそういうことだったか。完全版6巻はもうもう泣きながら読んでた。基本ミステリーなんですけども、ときどき叙情的?情緒的?な話も混ざっているのがこのマンガのいいところ。あんまり多読家ではないですが私の知る限りでは蟲師に近いものを感じる。あっちが大正ロマンティック・ファンタジーだとするなら、マスタ~は古き良きブリティッシュ・ハードボイルドロマン?な感じ。哀しくて愚かで愛すべき人間たち。