「双頭のバビロン」2012/06/02

▼蝶と骸骨のプライドさんより先に描き始めたのに終わらない・・・ そして怖い・・・

皆川博子著、「双頭のバビロン」読了。長かった・・・。ハリーポッター並みに分厚くてニ段組みで行間に隙間のない本を久々読んだ。途中挫折して1週間放置した時点で「これはもう読了できずに返すだろう」と思った矢先、熱が出てしまい仕事以外はベッドですごす生活になり、本読む以外にすることもなくなったので読み終えてしまった。

装丁から児童書かと思ったらとんでもなかった。中国の男娼の種類と呼び名に無駄に詳しくなった。あとR18Gの描写が多くて吐き気を堪えながら読んだ。私はそういうの、ビジュアルが無い方がかえって怖い。自分でイメージする最悪のイメージになる・・・

キャストは癒着双生児で生まれた金髪双子と、その一方に献身的に仕える友人。
双子の一方は切り離されたのち貴族として育ち、もう一方は存在しないものとして癲狂院で育てられる。エルリックというよりお父様とヴァンみたいな感じ。で、その友人が黒髪黒目の東洋系の容貌と華奢な肢体の持ち主で、たまに意識消失する持病が…ってあたりで私がどんなビジュアルイメージで読んでいたか言わずもがなかと。

その黒髪男子がうっかりすごく萌えるのでベッドの上でバタ足して余計熱が上がってしまった。彼が女装するんだけどただの女装じゃなくて、京劇の男装する乙女(ジャンヌ・ダルクみたいな役柄)に扮する。つまり本来のジェンダーの服を着ている。その姿がぞくっとするほど美しく艶かしい。この二重の倒錯がたまらない!その衣装というのがまた、金緑の生地に孔雀の羽をあしらったもの。孔雀といえば傲慢の象徴なので、なんかもうこの時点でプライドさんを女装?男装?させたい衝動と戦いながら読んだ。

まともなレヴューも書いておく。本文から幾つか引用。

ズーカーの勧告は遵守したらそれでなくとも大甘のハリウッド映画がますます子供向けの砂糖菓子になる。「必要以上に肉体を露出させない」――必要以下の露出とは何を指すんだ。

・・・まったくだ(笑)

僕の盾になった君の心臓を貫いた銃弾が、僕の肉の中にある。それだけを、僕は強く思っていた。――魂は僕の肉の中に埋葬されている。

この、身体的な距離感の無さというか、魂の境界の無さというか、こういう感覚はアルエドを描いている時ずっとあって、実際アルエドの魅力はそこにあると思う。それは勿論アルが肉体を持たない所為なんだけど、エドの側にも確かにあった。こういう狂気が。

二人とも、聖職者の説教に侵されていないので、自死には何の罪悪感もためらいもなかった。いつでも望むときに終われる。その保障があればこそ、今日を生きられる。

自分設定ではつねに兄弟は信仰を捨てていることにしてた。信仰の枷から兄弟は自由だし、セリムはそもそも生まれが神に疎まれた存在。痛みは、それを自分で止める手段がある場合、そうでない人の5倍耐えられる、という実験があるそうです。苦しみも人生も、結構そんなものかもしれない、と思う。

最後に。

燃える火を、躰の中に抱えている。形にしなければそれは私を焼き尽くす。


そんな炎に追われながら、私も8年の歳月を鋼を描くことに費やしてきた。自分の中に燃える火を、なんとか流れのある物語にしようと、それをなんとか魅力的なお話にしようと、いつもいつも考えては描いた。ひたすら描いた。描きたいという思いと描かなくてはいけないという思い、どちらも同じくらい強かった。そして描くべきものをやっとすべて描き尽くしたと思えるころになって、掌の上の小さく穏やかに燃える火を寂しく見つめながら、ふと気付く。

私は、本当は焼き殺されたかったのかもしれない。己の内側から燃える火に。

こないだで、本当に最後でした。2012/06/03

どうしてビジターさんが多いんだろう?って不思議に思ったら、あれですね、夏コミ合否ですよね。そんな時期でしたよね。

結論から言います。前回の冬コミで本当に最後でした。他のジャンルで申し込んでもいません。描き手としてコミケには参加しません。「ヤメルヤメル詐欺になるから最後宣言はしない」と言った途端に本当に辞めてスミマセン…私の人生そんなんです…。
その代わり、ヤルヤル詐欺になってた自家通販を行いたいと思います。コピー本と在庫の残ってるオフ本です。今更ご希望の方がいるか分かりませんけど・・・

最初に、お礼を。
期待して下さった方がもしいらしたら、気にかけて下さり本当にありがとうございます。
同人を辞める時は「愉しかったですありがとう!」と言って辞めるのが私の夢だったので、ほぼそう言える状況で良かったと思っています。まだお絵描きとブログはダラダラ続けると思いますし、描きたい物語が浮かんだら、また出戻るかもしれません。

鋼を始めてから我が身に起こったことをすべて振り返ろうとすると、どうしてもネガティブな感情に支配されそうになり、読んでくださる方のほとんどには関係のない内容になってしまうので、やっぱりこのまま永遠に書かないままになりそうです。
・・・ほんとに、色々ありました。

鋼は本当に多くのものを私に与え、そして奪って行った。


それと、細かい事情を言えば(これも暗い話になるけれど、)前回の冬コミも参加する予定はなかったんです。 ※重い話なので苦手な方は最後の6行にスキップを。
去年の夏コミの撤収時、「次回の申込書は要らないの?」と友人に聞かれ、とっさに「要らない」と返事が出来ずにいたら「迷うくらいなら買うべき!」と買って来てくれた。
申込書があったら申し込まない訳に行かないし(笑)それで、申し込んだ翌月には結局妄想から膨らんだネタが描かずにはいられないところまで来て、日の目を見ることになりました。その時の友人が他界したCさんです。だから、彼女がいなければ最後の二冊は世に出なかった。その彼女が読む前にこの世を去ってしまった。

私は、彼女の訃報を聞いてから一度もお話を描いていません。忘れもしない去年の誕生日、訃報を聞いた時点で2冊分のネームは既にほぼ出来ていました。あとは下描きしてペン入れるだけなので、それは感情を排しても何とか出来るものです。でもネームは違う。私は物語性のあるものを描いているので9割はネームにかかっている。彼女の死から私はお話を描けなくなった。だから、彼女の死が私のペンを折ったとも言える。ずっと、そう思っていました。

でも、つい最近、不意に気付いてしまった。彼女の死は正確にはそれ以前で、その日私に伝わったのは全くの偶然でした。ネームを描き終えてホンの数時間後でした。
だとしたら、彼女は待ってくれていたんだなあ、って。私がネームを終えるまで、ギリギリまで自分の死が伝わらないよう。あれより早ければ動揺して描けなかった。あれより遅くても動揺から立ち直れなくて間に合わなかった。なぜ逝ってしまったの、今もその怒りが無いわけじゃない。でもその事に思い当たってから怒りも罪悪感も楽になった。
今は純粋に哀しさと寂しさがある。何かを見るたび「きっと彼女ならこう思う」、何かを思うたび「きっと彼女ならこう言う」と考える。そして、「ああ、もういないんだなあ」へと集約していく。その繰り返し。頻度は変わっても多分一生私はこれを繰り返す。それが彼女の死を背負うこと。彼女の分も生きること。

哀しみを背負う事にはなったけど、彼女に出逢えたことは幸いだと思ってる。
だから鋼も同じ。本当にいろいろあったけど、鋼に出逢えて私は幸せでした。


オフで凪に関わっていてくださった皆様、永いあいだ有難うございました!
「さようなら」はやっぱり云えない寂しがり屋なので(笑)、思い出した時にでもメールやコメント頂ければ嬉しいです。状況次第で返事が出来ない不義理者なので、強いてお願いは出来ませんが。覚えていて下さる方がいると思えばこの9年が報われます。

夏コミはお手伝いも行けるから友人知人で手の足りない人は声かけてね。オフ会やるなら手伝いますから・ね(笑)!

マイカー通勤は危険2012/06/06

絵師さんならご存知の方も多いと思う「ポーズマニアックス」の15のお題の中に「黒地に白で描き始める」と言うのがあって、真っ黒のキャンバスをじっと見てたらこの人にしかならなかった。

ところでポーズマニアックで私が使えるのは手ビューワくらいでメインの骨格・筋肉標本みたいのは使えない。怖くて直視できない。あのモデルから兄弟とか描くなんてムリ!超ムリ!せめて骨格だけにしてくれたら助かるんだが。あとショタの骨格がry・・
もう少し無機質な3Dであれば初心者には使いやすいと思う。衝撃度も下がると思う。
一応このイラストも手ビュワの手だけ使ってみたけど結局手クセで描いてしまう。

私はこの8年間、「どうやって自分の萌えを物語にするか」それを「お話として面白いものに魅せるか」ということに心血を注いで来たので、つまり漫画の上達しか考えていなかったので、絵そのものの精進はあんまりして来ませんでした。
今は一枚絵として綺麗な絵・素敵な絵を目指してる。今更マジメにお絵描きしてる…

職場でお絵描きネタを思い付いてしまって、流石にその場で描くわけには行かなくて、帰りの道すがら「これはこう描こう!あれはどう描こう?」と練り上げていましたら、どこをどう運転して来たのかよく思い出せない・・・(凪は時々マイカー通勤しています)
私、ちゃんと赤信号止まった・・・よね・・・?

これが電車通勤だと顔がニヤケるくらいの危険で済みますが、マイカー危険ですね。妄想してると命に関わりますね。私が事故に遭ったらエドかセリム様の所為です。

BLポーズ集2012/06/07

あっ なんか一応・・・18禁警告とか。した方が良かった、かな・・・? まあいいや


BLポーズ用・ラブシーンデッサン集なるものが存在することをさっき知りました…
わりとかなりちゃんとはいってる・・・あらゆるたいいとあんぐるをもうらしている(狼狽)
便利な世の中になったねえ!ずるいねえ!あと10年早く出て欲しかったです!そしたら間違いなく買ってました!ショタ版が出たら買います!(正直)

こんなものが書店に並ぶ時代なんですね。羨ましいような恐ろしいような。ちなみにショタ晩はないのかしら・・・と思ったけど、やっぱそれは社会的に問題なんでしょうかね。
キスシーン集てのもあって、こんなポーズがあったのでカッとなって描いてしまった。
エドとプライドさんでも描いちゃったなんて事実は白状します。ごめん・・・。でもここに載せる勇気は無かった。因みにプライドさんは受です。

最近の凪はアルエド率が低すぎ!と怒られそうなんですが、アルエドはこの8年でネタもエロもそうでないのも描き尽くしてしまった感がありまして、今更何をどう描いて良いか分かんない。こういうのを倦怠期っていうんですかね。違いますね。
プライドさんはアルエドとは全く方向性の違う萌えなので(いや全くとも言い切れない)描いてないネタが盛り沢山で、つい抑えられなくて・・・!

すいません、寝ます。。。明日になったら消しそうな気配。

迷走した結果、2012/06/10

あの後もBLラブシーン集が気になって(笑)、AMAZONの中身検索をチラ見したりピクシブで実際使われてる絵とか見ててフト思い出したんですが。原稿に追われまくってたころ時間が出来たらアルエドで48手とかやってみたいなーとか考えてました。

今なら時間もあるし出来るじゃん?とか思って48を調べ始めたらあれって結構アクロバティックというか相当ギャグっぽいというか最後まで描き切れる自信がなくなって、いやそもそも鋼でアルカナ21枚(タロットです)もコンプリートしてない私にはムリだ…まずアルカナちゃんと終わらせよう…と思って←今ココです。

ラブシーン・キスシーン集ともに使い勝手は良さそうなんですが、問題は身長差・体格差のあるカップルは結局描き手の応用力が求められるんですよね。その点、私は兄弟の身長差はほとんどない派なので問題ないんですけど、ショタが(まだ言ってる)

ラブシーンラブシーン言ってますが、いちおう絵師っぽい言い訳もさせて頂くとですね、エロってすごいデッサン力を求められるんですよ。ちゃんと人体を3次元で描けてないと入らない(身もフタもない)。キスもちゃんと描こうとしたら本当難しいんですけどエロはもろ画力が露呈する。受だけ描いてれば誤魔化すことは出来ますけど両方ちゃんと描こうとするとかなり大変。なので、ある意味エロはすごいデッサン練習になる・・・

HUNTERはキルアキルア言ってますが元々私は団長派だったので、ピクシブではクロロもチェックしてたら知人を見つけてしまった。うわあ・・・当時から今もクロクラ続けている人って彼女くらいだろうなあ。

私もどこかで誰かが「うわあこの人まだ同人やってた」って再会があるかもと思って、あまりペンネームは変えないようにしている。ありふれたペンネームなので見過ごされていそうですが。

お題もの、とか2012/06/10

久し振りに描いた。

お題系は鋼でも何度か描いたことあるんだけど、完成する前に挫折してばかりだった。
そういえば昔こんなのも描いたので晒しておこう。。。セリムで如何わしいので注意。
日付が去年の1月なので、当時から私の中でプライド受は確定事項だったようです。

ピクシブでゴンさんがえらい人気でしかもえらい弄られようで、みんなどう受け止めていいか分からないんだなあ・・・と胸が熱くなりました。主人公の心臓止めちゃったりとか時々あの方はブチ切れると何するか分からないから怖い。

私は「信頼で結ばれた二人」「殺し合う宿命にある二人」が好きなので(我ながら極端だなあ)、ゴンの変貌っぷりとキルアに対する態度に実はかなりショックを受けてしまい、当のキルアが痛々しいほど苦しんでいるのがまた尚更ショックで(人の心臓握り潰しちゃうような子が!)。10年前はお子様コンビなんぞ見向きもしなかったのにまさか再燃した先がキルアになるとは本当予想外でしたわ。
プライドさんのせいでショタに目覚めたのは事実のようです。この歳になって・・・!

HUNTERアニメヨークシン編のキャストが決まったらしいのですがパクノダ姐さんが朴さん・・・とか・・・ど、どうなのそれは。今期HUNTERアニメはいまいちキャスティングが不思議。変なところに実力のある人を持ってきたりとか。これは禁句なのだろうか。

見逃したあああがが!2012/06/11

お、お絵描きなんかしている場合じゃなかっ・・・
今日インセプションだったんだね・・・半分くらい過ぎたあたりで知ったよ。あああ・・・
ちょっと真剣に落ち込みました。
▲ 久し振りにオリヴィエ姉様。アルカナIII・女帝。現世的存在、繁栄の象徴。

この映画すごいすごい好きです。初見時の感想は「映画」タグのどこかで語っているはずだから辞めておくけど、ここ数年でマイ・ベスト3に入る。同じく感激していたCさんと語り合って新たに気付いた発見も幾つかあったんだよなあ。

故人の記憶と結びついてしまうのは、彼女の死から立ち直れてないと言うより彼女の好きなものと私の好きなものがとにかく近かったからなんです。私の部屋と車にあるCDはほとんど彼女に貰った物だし、映画や絵画や文学や数え上げたらキリが無い。
・・・いけない、どうしても重い方に行ってしまう・・・

あーもう・・・序盤のアリアドネが初めて創る夢の世界をコマ送りで観たかった。
あと「いま夢の○階層目」って常に表示されてるのに吹いた。なにその親切な解説。
カーチェイスと銃撃戦っていう恐ろしくハリウッド的な要素をきっちり抑えつつ、ここまで感覚に訴える作品であることが凄い。メタファーの使い方とか堪らない。
今日も仕事だなんて信じたくない・・・