VITAL*SONGS　BLOG

テキストをMAGI部屋に置きました。マンガじゃなくてごめんなさい。
アリ←モルでアリババさんは不在です。アラジンとモルさんです。

マンガにしてスパークに無配でもしようかなと思っていたんですけど、本誌ネタバレな上に、一夜にして（一週間にして）ウソ展開になってしまったのでお蔵入りした例のアリモルなプロットです。

私はマンガ描く時は必ず、
プロット（主にセリフと簡単な状況説明のテキスト）→ネーム（人物はへのへのもへじで、アングルとか立ち位置とか矛盾ないよう確認）→下描き（データだと大きさの実感がないので、下描きはアナログで）→ペン入れ

という手順を踏みます。そのプロット段階だけさらしてみる試みです。
マンガ描きならラフでもいいからマンガで描けって感じですが、私はほんと「ラクガキ」が描けないんですよね・・・すみません；；

で、ペン入れの段階ですでに３回も同じ絵を描いてる計算なので、原稿はペン入れ時点ですでに飽きてます。全力で飽きてます。だから別のお話が描きたくなります。
私はイラスト一枚で物語を描け、といわれると本当困るんですけど、１００ページやるから物語れ、といわれたら多少は何か描けると思うんです。
うんつまり、ブログにイラスト少なくてすみません。っていう言い訳なんですけど。


言い訳ついでに１８巻やっと読んだので感想というか、シェーラさんに関する私の葛藤を語らせてください。本誌で出た時チラッとだけ言ったことなんですが。

私はシェヘラザードさま苦手でした。「ごめんなさい」を言ってくれるまでは。
自分と同じ命で自分の分身だからって、ティトスの意志を尊重しない彼女がすごくしんどかった。ティトスにはティトスの自我があるのに。違うルフが宿っているのに。
違う意志と自我を持ったことでティトスはあんなに苦しんだのに。逆らおうとする自分への嫌悪で堕転さえしかかったのに。

一番「うわあ」って思ったのは人質扱いしたことなんです。ティトスの裏切りを知っているにもかかわらず、その裏切りの意志さえ無視して「人質」にしてしまう彼女に。
目的のために相手の意志や自我を無視してまで自分に従わせようというなら、それはアルサーメンと何が違うんだろう、というのが私の偽らざる本心でした。アルサーメンならいいのよ。敵だもん。悪役だもん。そうじゃない立ち位置の人だからしんどいの。

でも、「時間がないこと」に誰よりシェーラさん自身が焦っていて、ティトスの気持ちにまで配慮が出来なかったせいなら、マギである以前に彼女もただの人間なんだな、と思えて楽になりました。あと、ちゃんとごめんなさいを言ってくれてすごくホッとした。

なにより、人質という体裁をとっていなければティトスは裏切り者として二度とレームには帰れなかった。マギとしてレームの地に立つことは出来なかった。
そこまで彼女が考えていたかどうかは分からないけど、結果として「人質」扱いは正解だったのだと分かってからは、やっと苦手意識が消えました。

アラジンの「王様にふさわしい」発言もそうだけど、こんな小さな疑問やひっかかりを、ひとつひとつ丁寧に描いてくれる大高先生はすごいなと思うんです。人と人との間のことだけはいい加減に描いて欲しくない。そういう意味で本当に素晴らしい作品だと思うのね。同じことは鋼でも思いました。どんな小さな疑問も矛盾も荒川先生はいい加減にしなかった。かならず納得のいく答えをくれた。
私はそんな「マギ」が好きです。私自身、そういうお話を描いていけたらな、と。